本は10冊同時に読め

29冊目
[★★★☆☆]

<感想>

読書量を増やして人生を楽しもうという本。
副題「本を読まない人はサルである!」という表現にもわかるように、かなり厳しい口調で書かれている部分もあるが、それがまた面白い。
超並列読書法として、まったく違ったジャンルの本を同時に10冊読むことでアイデアが生まれるというのが著者の主張だ。
それが活かされているのか、「読書メモを取らない」や「庶民と同じことをするから庶民なんだ」という斬新な発想がところどころにあって、グッと考えさせられる。
改めて、本の読み方を見直す良いきっかけになった。

<まとめ>

他の人がさがすだろうところから情報を集めていたのでは、他の人が思いつくようなアイデアしか生み出せない。

他の人が意識していないような素材の中にこそ、新しいアイデアのヒントが隠されているのだ。

これからの社会で求められているのは、いうまでもなくクリエイティブ・クラスの人間だ

クリエイティブ・クラスの人間に求められるのは、アイデア力、実行力、問題解決力、コミュニケーション能力である。
あらゆる仕事に対して、「なぜ?どうして?」と疑問を投げかけ、つねに工夫・改善していける人だけがクリエイティブ・クラスになれる。

人が遊んでいるときもせっせと働く人生の何が面白いのだろう

せっかく生まれてきたのに、楽しみをまったく知らないまま死んでいくのでは、誰のための人生なのかわからない。

成功とはイノベーション、つまり革新性のあることを実現できたときに初めて成り立つものだ

他の人が思いつかないようなビジネスをして、他の人がマネできない生き方をしてこそ、自分の人生を生きているのではないか。

頭の中に知識を貯金しておけば、いずれ億単位のお金を稼げるようになる

使えば簡単になくなってしまうお金と違って、読書で得られる知識や教養や哲学は生きている限りなくなることはない。
むしろ、使えば使うほど増えるのだ。

知識を機械的につめこむだけでは、人生を豊かに生きるための力はつかない

ただ薀蓄をひけらかすことしかできないのであれば、それは知的な人間ではなく、たんなる雑学王である。

「庶民」向けに用意されたイベントに踊らされているかぎり、「庶民」からは抜け出せないという意味だ

「庶民」から抜け出したいなら、行列には並ばない、混雑している場所には行かない、この2点だけでも徹底するべきである。
少なくとも、3倍の年収をもらっている人はそんなところには行かない。
そんな時間があれば本でも読んでいるだろう。

仕事を断れないのは、周りの人から嫌われたくないからだろう。あるいは、自分の評価に自信がないからだ。

この先も、自分の時間や人生を企業に提供し続ける人生でいいのだろうか。
忠実な働きアリでいたいのだろうか。

読書メモはとらない

情報は頭の中で取捨選択し、整理するものである。
すべてを書きとめ、その上で整理をしている人は、情報は吸収しようとする姿勢がないのではないだろうか



無駄を排除し、将来だけを見つめて最短距離を走り抜けるのでは、周りにある多くのチャンスを逃しかねない。
何より、そんな人生はつまらないではないか。