何のために働くのか
36冊目
[★★★★★]
- 作者: 北尾吉孝
- 出版社/メーカー: 致知出版社
- 発売日: 2007/03/12
- メディア: 単行本
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<感想>
仕事に対してどのような姿勢で臨めばいいのかを教えてくれる本。
著者は仕事とは世の貢献のためであり、社会正義を守ることが第一なのだという。
論語を用いてそのことを説いており非常にためになる。
変化がとてつもなく早い世の中で、不変な気持ち(自分の主義)を持ち続けるのが大切だと思う。
「天網恢々疎にして漏らさず」という言葉を肝に銘じて、これからの仕事に取り組むことをここに決意する。
<まとめ>
福沢諭吉の「心訓七則」の中の2つが仕事に関わるものです
「世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事を持つことである」
「世の中で一番さびしいことは仕事のないことである」
まさに、我々が生きるということは、仕事を通してであります。
従って我々はできるだけ若いときから確固とした仕事観を持つことが極めて重要なのです。
働くことの対価とはお金だと考えている若者が多いようですが、そうではありません
ぎりぎりの生活の中で彼がつかんだ仕事の対価とは、自らの成長だったのです。
天網恢々疎にして漏らさず
これは有名な老子の言葉です。
「天の網の目というのは広いように見えて決して悪を逃すことはない」という意味になります。
摩擦や軋轢を恐れてはいけない
この「会社のために」という場合に気をつけなければ行けないのは、会社の常識と世間の大儀が必ずしもイコールにならないケースがあることです。
そういう場合、やはり「社会的正義とは何か」と、きちっと自らに問わなくてはいけません。
松下幸之助の「所主告示」
「凡そ生産の目的は我等生活用品の必需品の充足をたらしめ、しこうしてその生活内容を改善拡充せしめることをもってその主眼とするものであり、私の念願もまたここに存するものであります。我等が松下電器産業はかかる使命の達成を持って究極の目的とし、今後一層これに対して渾身の力を揮い、一路邁進せんことを期する次第であります」
ここには金儲けのことなどひと言も書いてありません。
ここで述べられているのは、まさに世のため人のためという想いです。
自分の国を愛せない人が他の国を愛せるはずがないじゃないか
これは、親を愛せない人が妻や夫を愛せるはずはないし、ましてや他人を愛せるはずがないというのと変わらないでしょう。
私はそう思っています。
節操というのは本当に大事なものです。
自分の主義・主張・立場を常に明確にして、何が起ころうとそれを守り抜く。
そうした節操を持つためには、自分の人生観を明確にしておく必要があります。
松下幸之助さんは、「全部運がよかったと思いなさい」と至言を残されています。
自分の努力によって成功したのではなく、ただ運がよかっただけだと考えなさいというわけです。
自分の力で成功したと思うと、どうしても驕りが出たり、野心が出たりします。
しかし、ただ運が強かっただけだと思うと、そういう余計なものが出る余地がありません。
つまらない日常の出来事を気にするよりも、世の中に目を向けて、常に大きな志を掲げ、自分に何ができるかを考える習慣を身につけることが大切だと思うのです